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今回も大野さんの本のお復習いをしています。
温度センサー LM35DZのデータシート を見るとLM35Dは、
と記載されています。 リニアーに10.0mV/℃なら50℃では、0.5Vが観測されるはずです。
例題13では、LM35DZの測定範囲の半分(50℃)でPSoCのBandGap1.3VになるようにPGAの倍率を 計算しています。
0.5V x 2.667 = 1.3335V
ADCINC(12bit)が以下のようにセットすると50℃では、1.3335 x 2047/1.3 = 2100となります。
図8-66を参考にブレッドボードを組み立てます。
LM35には、P0[5]からREFHI(2.6V)を供給し、REFHIを測定するために、RefMuxを使ってP0[2]に出力しています。
ポート番号とピンの対応は、以下の図を参考にしてください。
以下のユーザモジュールを配置します。
ADCINC_1の設定は以下の様になっています。DataFormat: unsigned, Resolution: 12bitです。
PGA_1の設定は、Gainを2.667, InputをAnalogColumn_InputMux_0にセットし、P0[5]と接続しています。
RefMux_1の設定は、REFHIをセットし、出力をP0[2]に接続します。
ピンの設定では、P0[5]をStrongで初期値を1にセットするのがポイントです。 *1
main.cはそのまま大野さんのプログラムを拝借しました。
#include <m8c.h> // part specific constants and macros
#include "PSoCAPI.h" // PSoC API definitions for all User Modules
char strg[] = "ONDO 00.0 ";
int read_adc(void)
{
int ival;
ADCINC_1_GetSamples(1);
while(ADCINC_1_fIsDataAvailable()==0);
ival=ADCINC_1_iClearFlagGetData();
return ival;
}
char htoc(int ch)
{
return "0123456789ABCDEF"[ch & 0xf];
}
void main(void)
{
int ival;
long lval;
ADCINC_1_Start(ADCINC_1_HIGHPOWER);
PGA_1_Start(PGA_1_HIGHPOWER);
RefMux_1_Start(RefMux_1_HIGHPOWER); // リファレンス実測のためアナログバスに出しておく
M8C_EnableGInt;
LCD_1_Start();
strg[4] = 0x7e; // 1行5文字目に'→'表示
strg[9] = 0xdf; // 1行9文字目に'゜'を表示
strg[10] = 0x43; // 1行10文字目に'C'を表示
LCD_1_Position(1,0); // 2行目にA/D変換値を表示するための準備
LCD_1_PrCString("A/D read 0000(h)"); // Const文字列表示はPrCStringを使う
for(;;) {
PRT0DR |= 0x40; // モニタ
ival = read_adc();
LCD_1_Position(1,9); // A/D変換値を16進で2行目に表示
LCD_1_PrHexInt(ival);
lval = ival;
lval = lval * 3946L; // リファレンス実測値(2.570V)とPGAゲイン(×2.667)の差を微修正
lval = lval >> 12;
lval *= 1000; // 100℃/4095を0.1℃分解能の整数に換算
lval = lval >> 12;
ival = lval & 0xfff;
strg[5] = htoc(ival / 100); // 10進3桁の文字列に変換
ival %= 100;
strg[6] = htoc(ival / 10);
ival %= 10;
strg[8] = htoc(ival);
strg[11] = '\0'; // 念のための文字列終端コード
LCD_1_Position(0,0);
LCD_1_PrString(strg); // RAM文字列表示はPrStringを使う
PRT0DR &= ~0x40; // モニタ
}
}
早速動かしてみましょう。
リファレンスの実測値は、2.6Vではなく2.570Vでした。
Raspberry Piと接続するためにI2CスレーブをPSocのブレッドボードに追加します。
ユーザモジュールEzI2Csを配置します。
EzI2Csの設定は、I2Cのアドレスには0x20(32)をセットし、以下の様にしました。
EzI2Csを使うことによってI2Cマスターからは、PSoCがEEPROMと同じように扱うことができます。
テストのために、EzI2Cs用のバッファを以下のように定義します。 msgは、LCDの3段目に出力する文字列で、ivalはLM35から読み取った値をリードオンリーとします。
// EzI2Cs用のバッファ
struct I2C_Regs {
char msg[8];
int ival; // LM35 temp read only to I2C
} myI2C_regs = {
"1234567",
0
};
EzI2Csを追加したことによるmain関数の変更は、変数宣言直後の以下の部分と
M8C_EnableGInt; EzI2Cs_1_SetRamBuffer(sizeof(myI2C_regs), 8, (BYTE *)&myI2C_regs); EzI2Cs_1_Start();
forループの最初にivalの値をmyI2C_reg.ivalにコピーする以下の部分です。
ival = read_adc(); myI2C_regs.ival = ival; // ivalをI2C用レジスターバッファにセット
PSoCとRasperry Piとの接続は、以下の様にします。
さっそくRaspberry PiのI2C Toolを使って動作を確認してみましょう。
最初にPSoCのI2Cスレーブを認識するところから、i2cdetectを使ってデバイスをスキャンします。 無事0x20が検出できています。
$ sudo i2cdetect 0
WARNING! This program can confuse your I2C bus, cause data loss and worse!
I will probe file /dev/i2c-0.
I will probe address range 0x03-0x77.
Continue? [Y/n]
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 a b c d e f
00: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
10: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
20: 20 -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
30: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
40: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
50: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
60: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
70: -- -- -- -- -- -- -- --
次に"H"をPSoCに送ってみます。*2
$ sudo i2cset -y 0 0x20 0x00 0x48 # H $ sudo i2cset -y 0 0x20 0x00
最終目的の温度を読み取ると、
$ sudo i2cget -y 0 0x20 0x08 w 0x1a04
バイトが入れ替わっているので、正しい値は0x041aが正常に受け取れていることが確認できました。
皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。