AnalogDiscoveryを試す

2014/11/8からのアクセス回数 6631

待望のAnalogDicovery

秋月でも購入できるようになったAnlogDiscoveryを遅ればせながら入手することができました。

私の着目するAnalogDiscoveryの特徴は、以下の点にあります。*1

他にもロジックアラライザーの機能もありますが、ソースが公開されていないので そちらはLabToolsを使用することにします。

AnalogDiscovery.png

CR積分回路

AnalogDiscoveryで最初に試すのは、CR積分回路です。以下にWikiから引用した回路図を示します。

250px-Series-RC.svg.png

LTSpiceを使って方形波に対するVcの変化を見る

AnalogDiscoveryで実験をする前にLTSpiceを使って方形波に対するVcの応答をシミュレーションしてみます。 *2

LTSpiceで以下の回路を作成します。

CR_Int_cir.png

50Hzでのシミュレーションの結果は、以下の様になりました。

CR_Int_Spice_50Hz.png

同様に500Hz, 5kHzの結果を示します。 *3

CR_Int_Spice_500Hz.png

5kHzは、以下の様になります。

CR_Int_Spice_5KHz.png

AnalogDiscoveryを使ってVcを測定する

トラ技2014年5月号では、アルミの箱を使うように進めていたのですがまだ入手できていないので、 机の上での測定になります。*4 少しでも精度が良くなるように奮発してフィルムコンデンサーを使いました。

以下のようのブレッドボードに回路を組み、AnalogDiscoveryと接続しました。 *5

CR_Int_setting.png

AnalogDiscoveryを使った測定結果

方形波の周波数を50Hz, 500Hz, 5kHzに変えて、Vcの応答を測定してみました。

回路の時定数\(\tau\)は、\(C_1 R_1 = 10K \times 0.1 \mu = 1 ms \)となっています。

50Hzの場合、コンデンサーに十分電荷が蓄積された後、放電が開始されている様子が観られます。

th_CR_Int_50Hz.jpg

500Hzでは、方形波の変化が時定数の1msとなっており、方形波を積分したときの三角波に近い形を示しています。 *6

th_CR_Int_500Hz.jpg

5kHzになるとほとんど変化しなくなり、ローパスフィルターの性質がでてきます。

th_CR_Int_5KHz.jpg

周波数特性を測る

AnalogDiscoveryを購入する動機になったのが、周波数特性を計測する機能です。

ネットワーク・アナライザを使って周波数特性を測ったのが、以下のグラフです。 これは、入力波と出力はの2チャンネルのアナログ測定値から計算しており、計測には少々時間が掛かります。

th_CR_Int_network.jpg


*1 特質すべき点は、ネットワーク・アナライザと2チャンネルDC電源です。これで両電源を必要とするアンプの周波数特性が測定できます。
*2 LTSpiceがMacOSXでも動くようになりました。嬉しいです
*3 5kHzでのシミュレーションでは、開始後から安定するまで少し時間が必要になるみたいです
*4 ご容赦ください。
*5 WaveFormsは、VMWare FusionのWindows上で実行しました。
*6 実際に波形をみると積分した形になっていることに感動しました。

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