[[Arduino勉強会]] #contents 2015/02/15からのアクセス回数 &counter; ** Arduino SDカードライブラリ [#x0dbac65] SDカードシールドを作ってから、LBEDにはまだSDカードライブラリがないことに気づきました。 通常なら、LBEDは完全を目指す物では無いのでまぁいいや的になるのですが、 lbeDuinoではシールドを作成したガジェットを外に持ち運ぶことが想定されます。 このような状況で記録手段がないことは大きな問題と考え、思い腰を持ち上げてArduinoのSDライブラリの 移植に取り掛かりました。 この記事のみどころ?は、どうやって移植したかでは無く、どうやって動くようにしたかです。 *** Arduino SDカードのマシン依存部 [#s8c35f01] 移植の元にしたのは、Arduinoアプリケーション配下の(MacOSX版で説明します)Contents/Resources/Java/libraries/SDです。 このソースはとても良くできていて、SDカードのSPIの処理に関連する部分は、utility/Sd2Card.cpp, SdCard.hに凝縮されています。 lbedへの移植は、Sd2Cardクラスのメンバ変数にSPIクラスの_spi変数とDigitalOutクラスのchipSelect_を追加し、初期化とspiSend, spiRec関数をlbedのSPI用に書き替えるだけです。 ((ソースの見通しが良いようにSOFT_SPIとOPTIMIZE_HARDWARE_SPIの部分を取り除きました)) Sd2Card.hの変更点 #pre{{ //#include "Sd2PinMap.h" #include "SdInfo.h" #include "lbed.h" // LBEDのヘッダをインクルード // コンストラクタの変更 Sd2Card(void) : errorCode_(0), inBlock_(0), partialBlockRead_(0), type_(0), spi_(MOSI, MISO, SCKL), chipSelect_(D4){} // spiSend, spiRecの変更 void spiSend(uint8_t b) { spi_.write((int)b); }; uint8_t spiRec(void) { return spi_.write((int)0xFF); }; // private:宣言の追加 SPI spi_; DigitalOut chipSelect_; }} ここでは、SDカードシールドに合わせchipSelectをD4に固定としています。 ** 失敗談 [#bbba690a] 最初は、SPIのSCKLのピンをD10に割り当てており、SDカードの初期化に失敗していました。 ここでもLabToolのプロトコルアナライザーが役に立ちました。 &ref(LabTool_SPI.png); LabToolとlbeDuinoとの接続は、以下の通りです。 | LabToolピン| ケーブルの色 | 機能 | lbeDuino |h | DIO_3 | Orange | SPI-SSEL | D4 | | DIO_4 | Yellow | SPI-MOSI | D11 | | DIO_5 | Green | SPI-MISO | D12 | | DIO_6 | Blue | SPI_SCK | D13 | *** 初期化は規定どおり [#a816f3bb] SDカードの処理手順は、ChaNさんの [[MMC/SDCの使いかた>http://elm-chan.org/docs/mmc/mmc.html]] を参考にさせて頂きました。 初期化のchipSelectがHightでSCKLを74クロック以上入れるとある部分では、80回のクロックを入れた後初期化コマンドを送っています。 &ref(th_SD_init.jpg); *** MBRの読込失敗 [#h0ea7b88] 初期化でSDカードの情報のタイプはきちんと読み込んでいるのですが、SDカードのMBRを読み込んだ後にエラーとなってしまいます。 ここでもLabToolが役立ちました。以下の画面では、0x0が続いて読み込まれており、デバッガでもその値が正しく読み取れました。 &ref(th_read_MBR.jpg); このような状態ではSPIの読込が原因では無いことが明らかです。 そこで、FAT関連の構造体をよく見てみると原因が隠れていました。 FatStructs.hを見てみると、fat32BootSectorの構造体が以下の様に定義されています。 #pre{{ struct fat32BootSector { /** X86 jmp to boot program */ uint8_t jmpToBootCode[3]; /** informational only - don't depend on it */ char oemName[8]; /** BIOS Parameter Block */ bpb_t bpb; /** for int0x13 use value 0X80 for hard drive */ uint8_t driveNumber; /** used by Windows NT - should be zero for FAT */ uint8_t reserved1; /** 0X29 if next three fields are valid */ uint8_t bootSignature; /** usually generated by combining date and time */ uint32_t volumeSerialNumber; /** should match volume label in root dir */ char volumeLabel[11]; /** informational only - don't depend on it */ char fileSystemType[8]; /** X86 boot code */ uint8_t bootCode[420]; /** must be 0X55 */ uint8_t bootSectorSig0; /** must be 0XAA */ uint8_t bootSectorSig1; }__attribute__ ((packed)); }} volumeSerialNumberの後に、char型でvolumeLabel[11], fileSystemType[8]と定義されています。 32bitマイコンのLPC1114では、構造体のアライメントが32bit単位となるので、volumeLabelとfileSystemTypeは連続した領域に割り当てられません。そこで、FatStructs.h内の構造体の終わりに__attribute__ ((packed))を付けてやりました。 これで何とかSDライブラリが動くようになりました。 *** 動作確認 [#r2b0eca7] [[Arduino勉強会/0G-lbeDuinoシールドを作る]]の結果を再度掲載します。 &ref(SD_Info_monitor.png); ** コメント [#i789bc57] #vote(おもしろかった[0],そうでもない[0],わかりずらい[0]) 皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。勉強会で分からなかったこと等、お気軽に問い合わせて下さい。 スパム防止に画像の文字列も入力してください。 #comment_kcaptcha