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** MacOSでCの例題を動作させる [#s3e44779]
** はじめに [#n4a9b3df]
CQ出版から発売された「ARMマイコンパーフェクト学習基板の使い方」は、様々な
インタフェースを実験するための部品とCortex-M3を搭載したARM用学習基板で
著者も私の好きな桑野雅彦氏です。

しかし、Micro BASICを使った説明では、処理の流れが分かりにくく、ビット処理も
読みづらいものとなっています。

microBuilder.euが公開している
[[CodeBase>http://www.microbuilder.eu/Projects/LPC1343ReferenceDesign/LPC1343CodeBase.aspx]]
はLPC1343のオープンソースのライブラリです。

ここでは、ARMマイコンパーフェクト学習基板の例題をCodeBaseを使って書き直し、
Cライブラリを使った開発方法を紹介します。

** MacOSでCの例題を動かす [#s3e44779]
私はMacOSで開発しているので、ARMマイコンパーフェクト学習基板のCの例題を
MacOSで動かしてみることにしました。

最初に
[[そんすけぶろぐ>http://thumper0the0rabbit.blog91.fc2.com/blog-entry-163.html]]
を参考に以下のようにしました。

GCCは、MacPortのarm-elf-gcc(([[arm/開発環境のセットアップ]]参照))を使いました。

変更点は、
- makefile
- usbpwm_Debug.ld
- src/subdir.mk

*** makefileの変更 [#x50cdbde]
8行以下に
#pre{{
ARM_GCC := arm-elf-gcc
ARM_SIZE := arm-elf-size
ARM_OBJCOPY := arm-elf-objcopy
CMSIS_LIB_DIR := ../../CMSISv1p30_LPC13xx/Debug
CMSIS_INC_DIR := ../../CMSISv1p30_LPC13xx/inc
}}
を追加し、gcc, sizeの部分を以下のようにしまいした。
#pre{{
# GCCの部分
	$(ARM_GCC) -nostdlib -L$(CMSIS_LIB_DIR) -Xlinker --gc-sections -Xlinker -Map=USBPWM.map  \
	-mcpu=cortex-m3 -mthumb -T "usbpwm_Debug.ld" -o "USBPWM.axf" $(OBJS) $(USER_OBJS) $(LIBS)
# SIZEの部分
	-$(ARM_SIZE) USBPWM.axf;  $(ARM_OBJCOPY) -O binary USBPWM.axf USBPWM.bin
}}

他は、そんすけぶろぐの処理と同じです。

*** binの処理 [#v5c7f630]
makeで作成されたバイナリファイルは、そのままでは動作しないため、CodeBaseに含まれるlpcrc
を使ってチェックサムをバイナリファイルにセットします。

また、パーフェクト学習基板基板への書き込みの際、Finderを使ってコピーすると隠れたゴミファイルが
作成されるため、ターミナルを使って以下のように行いました。

#pre{{
$ make
$ lpcrc USBPWM.bin
# ここで、基板のスイッチを2,3pinをショートし、Macに挿入します。
$ cp USBPWM.bin "/Volume/CRP DISABLD/"
$ sudo umount "/Volume/CRP DISABLD/"
}}

この後、基板のスイッチを1,2pinをショートし、Macに挿入し直すと、LEDが点滅します。
これで、MacOS上で学習基板のプログラムが作成できることが確認できました。

** CodeBaseのインストール [#p82b4a22]
次にCodeBaseをインストールします。

*** CodeBaseのダウンロード [#w71007ab]
CodeBaseは以下のサイトからダウンロードします。
- http://www.microbuilder.eu/projects/LPC1343ReferenceDesign/LPC1343CodeBase.aspx

ダウンロードしたLPC1343_CodeBase_v0.50.zipを解凍し、適当なディレクトリに置きます
(私は、~/local/arm/以下にセットしました)。

*** 設定 [#g7072124]
設定する部分は、MakefileのCROSS_COMPILEの部分だけです。
MacPortのクロスコンパイラ用に
#pre{{
# CROSS_COMPILE = arm-none-eabi-
CROSS_COMPILE = arm-elf-
}}
として、コンパイルしたところ、
#pre{{
/opt/local/lib/gcc/arm-elf/4.3.2/../../../../arm-elf/bin/ld: ERROR: 
/opt/local/lib/gcc/arm-elf/4.3.2/../../../../arm-elf/lib/thumb/libc.a(lib_a-ctype_.o) uses hardware FP, 
whereas firmware.elf uses software FP
}}
のエラーがでました。MacPortの作ったlib.aがハードのFloating Pointを使っているのに、firmware.elfがソフト
ウェアのFloating Pointを使っているようです。MacPort arm-gccのVariantを見てもそれらしい設定がないので、
今回は、[[FYI氏ブログ>http://jfyi.blogspot.com/2008/09/cortex-m3-on-mac-os-x.html]]で使っている
devkitARMのMac OS X版をダウンロードしました。

MakefileのCROSS_COMPILEの部分を以下のように変更し、
#pre{{
#CROSS_COMPILE = arm-none-eabi-
CROSS_COMPILE = arm-eabi-
}}

今度は、正常にコンパイルができfirmware.binが作成されました。

** GPIO出力 [#efdc2dea]
基板にLEDをセットし、LEDを点滅させる例題をCodeBaseで書いてみます。

基板のLEDは、GPIO0の7ビット目に接続されているので、LED点滅プログラムは次のようになります。

#pre{{
#include "core/cpu/cpu.h"
#include "core/gpio/gpio.h"
#include "core/systick/systick.h"


int main (void)
{
	// Initialise the cpu
	cpuInit();	
	// Initialise the systick timer with one tick every 10 millaseconds
	systickInit(10);
	gpioInit();
	// Set GPIO0.7 to output
	gpioSetDir(0, 7, gpioDirection_Output);
	// Disable the internal pullup/down resistor on P0.7
	gpioSetPullup(&IOCON_PIO0_7, gpioPullupMode_Inactive);
	
	while (1) {
		// Set GPIO0.7 high
		gpioSetValue(0, 7, 1);
		systickDelay(50);
		// Set GPIO0.7 low
		gpioSetValue(0, 7, 0);
		systickDelay(50);
	}
}
}}

基本的に、cpuInit関数を呼んだ後は、使用する周辺装置の初期化関数を読み出します。
ここでは、
- systickInit
- gpioInit

を読んでいます。

次に、GPIOのレジスタの設定をします。
- GPIO0の7bitを出力モードにする
- プルアップ/ダウンの設定は無効にする

GPIOの値の設定は、gpioSetValue関数で行います。
- gpioSetValue(0, 7, 1);でGPIO0の7bit目の値を1とする

となります。

** GPIO入力 [#mc02d12d]
次にGPIOの入力のテストを基板付属のタッチセンサーを使って行います。
この基板を入手するまでタッチセンサー専用ICがあるとは知らなくて、便利なものが出てきなぁと思いました。

タッチセンサーを使用するには、
P4ピンソケットの
- 3-4番ピン
- 31-32番ピン(本の47ページの図6にはミスプリがあり、右から5列めが31-32番ピンです)

のジャンパをセットします。使用するGPIOは、GPIO2の4bit目で、本の説明通りプルダウンに設定します。

先のLEDの例と合わせて、タッチしたときにLEDが点灯するようにプログラムを作成しました。

#pre{{
#include "core/cpu/cpu.h"
#include "core/gpio/gpio.h"


int main (void)
{
	// Initialise the cpu
	cpuInit();	
	gpioInit();
	
	// Set GPIO0.7 to output
	gpioSetDir(0, 7, gpioDirection_Output);
	// Disable the internal pullup/down resistor on P0.7
	gpioSetPullup(&IOCON_PIO0_7, gpioPullupMode_Inactive);
	
	// Set GPIO2.4 to input
	gpioSetDir(2, 4, gpioDirection_Input);
	// Enable the pull-down resistor on GPIO2.4 
	gpioSetPullup (&IOCON_PIO2_4, gpioPullupMode_PullDown);
	
	while (1) {
		// Read the current state of GPIO2.4 (1 = high, 0 = low)
		if (gpioGetValue(2, 4) != 0) {
			// Set GPIO0.7 high
			gpioSetValue(0, 7, 1);
		}
		else {
			// Set GPIO0.7 low
			gpioSetValue(0, 7, 0);
		}
	}
}
}}

どうでしょう、とても簡単にGPIOを使うことができると思いませんか。
CodeBaseはオープンソースなので、各関数のソースを読むことで処理内容を確認することができます。




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