[[FrontPage]]

2008/10/14 からのアクセス回数 &counter;

#contents

インターネット・ガジェット設計にlibusbとUSBプロトコルスタックを使って自作のUSBデバイスにアクセスする
例があったので、Mac OSXで動作を確認しました。

** 必要なライブラリ [#v00401ef]
libusbを使った自作デバイスには、以下のライブラリが必要です。

- [[libusb>http://libusb.wiki.sourceforge.net/]] から最新版v0.1.12をダウンロードしました。しかし、MacOSXには最初からインストールされていたので、不要でした。

- [[AVR-USB>http://www.obdev.at/products/avrusb/index.html]] はAVR用のUSBプロトコルスタックです。avrusb-20080513.zipをダウンロードしました。

** USBデバイス [#n9bc7fd4]

テストに使用するデバイスは、5章の「USBプロトコール・スタックを使う」のTiny45を使った例題に従いました。

*** 回路 [#w5e18420]
5章の「USBプロトコール・スタックを使う」の図5.9の回路図

#ref(Tiny45Cirkit.jpg);

には、誤植がありTA48M033Fのピン番号が1と2が入れ替わっています。

*** ブレッドボード [#u4833fdb]
最終のブレッドボードの回路は、USBとTiny45(書込用)の2個を連結しました。

回路を組み立てるときには、データシートでピン番号の配置を確認して、接続しましょう。

私は、http://www.alldatasheet.com/ からTiny45, TA48M033Fのデータシートをダウンロードしました。

#ref(usbTiny45.jpg);

** プログラムの動作 [#aa07038f]
テストプログラムは、ホストのshow.cとターゲットデバイスのfirmware/main.cで主な処理をしています。

*** 処理の流れ [#ud07e4f1]
ホストプログラムは、usbデバイスをオープンした後、usb_control_msg関数を使ってデバイスにデータを
送信します。

show.cでは、usb_control_msgの引数を使ってデバイスにデータを渡しているのですが、その仕組みが分かりにくいので、少し補足をします。

[[AVR-USB Driver API>http://avrusb.wikidot.com/driver-api]]によると、
- usb_control_msg関数によって
#pre{{
typedef struct usbRequest{
    uchar       bmRequestType;
    uchar       bRequest;
    usbWord_t   wValue;
    usbWord_t   wIndex;
    usbWord_t   wLength;
}usbRequest_t;
}}
の8バイトの要求が送られます。
show.cの例題では、この要求メッセージをデータとしてターゲットに渡しているのです。

- ターゲットのUSBデバイスでは、usbFunctionSetupがコールされ要求メッセージが渡されます。

例題では、送られたデータを1つシフトした7バイトの情報を返します。

*** ホストのプログラム [#s3c33cb2]

show.cのUSBデバイスのオープン
#pre{{
static int usbOpenDevice(usb_dev_handle **device, int idvendor, int idproduct)
{
  struct usb_bus *bus;
  struct usb_device *dev;
  usb_dev_handle *udh=NULL;
  int ret,retp, retm,errors;
  char string[256];
  usb_init();
  usb_find_busses();
  ret=usb_find_devices();
  if(ret==0){return errors=1;}
  for (bus = usb_busses; bus; bus = bus->next)
  {
    for (dev = bus->devices; dev; dev = dev->next)
    {
      udh=usb_open(dev);
      retp = usb_get_string_simple(udh, dev->descriptor.iProduct, string, sizeof(string));
      retm=usb_get_string_simple(udh, dev->descriptor.iManufacturer, string, sizeof(string));
      if (retp > 0 && retm > 0)
        if (idvendor==dev->descriptor.idVendor && idproduct==dev->descriptor.idProduct){ 
          *device=udh;return errors=0;}
    }
  }
         usb_close(udh);return errors=1;
}
}}

メイン関数は、
#pre{{
int main(int argc, char **argv)
{
  usb_dev_handle *d=NULL;
  unsigned char buffer[16];
  unsigned char i=3,j=4,k=5,l=6,m=7,n=8,o=9,p=0,ret;
  char string[256];
//if(argc<2){return 0;}
//j=atoi(argv[1]);
ret=usbOpenDevice(&d, IDVendor,IDProduct);
if(ret!=0){printf("usbOpenDevice failed\n"); return 0;}

  ret=usb_control_msg(d, USB_TYPE_VENDOR | USB_RECIP_DEVICE | USB_ENDPOINT_IN,
           i, j+256*k, l+256*m,(char *)buffer, n+256*o,5000);
printf("ret=%d \n",ret);
for(p=0;p<ret;p++){printf("buffer[%d]=%d \n",p, buffer[p]);}

  return 0;
}
}}

*** ターゲットのプログラム [#u2cfd04f]
ターゲットusbFunctionSetupは、
#pre{{
uchar usbFunctionSetup(uchar data[8])
{
static uchar replybuf[8];
usbMsgPtr = replybuf;

        replybuf[0]=data[7];
        replybuf[1]=data[1];
        replybuf[2]=data[2];
        replybuf[3]=data[3];
        replybuf[4]=data[4];
        replybuf[5]=data[5];
        replybuf[6]=data[6];
return 7;
}
}}
となります。


完全なソースは、[[Ohmshaのページ>http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-274-50186-9]]からダウンロードできます。

** 動作確認 [#cdd02566]
ダウンロードしたファイルのUSBtesttiny45ディレクトリに移動します。

*** ホストのコンパイル [#hb95b5eb]
ホストのコンパイルは、
#pre{{
$ cc -o show show.c -lusb
}}
でshowが作成されます。

*** ターゲットコンパイル [#j68858fb]
今回は、AVR ISP mkIIを使用するので、
firmwareディレクトリに移動して、Makefileを以下のように修正しました。

#pre{{
avrdude:
        avrdude -c avrispmkII -P usb -p $(TARGET) -U flash:w:main.hex

lfuse:
        avrdude -c avrispmkII -P usb -p $(TARGET) -u -U lfuse:w:0xc0:m
}}

後は、makeコマンドでターゲットデバイスへの書き込みまで実行します。
#pre{{
$ make 
}}

*** showの実行 [#kd3f7c8f]
最後にshowを実行します。

#pre{{
$ ./show
ret=7 
buffer[0]=9 
buffer[1]=3 
buffer[2]=4 
buffer[3]=5 
buffer[4]=6 
buffer[5]=7 
buffer[6]=8 
}}

と出力されたら、完成です。


** コメント [#u850f9e7]
この記事は、

#vote(おもしろかった[5],そうでもない[1],わかりずらい[0])
#vote(おもしろかった[22],そうでもない[1],わかりずらい[3])

皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。
- MacOSXにlibusbが最初から入っていたというのは、私の勘違いでした。 -- [[竹本 浩]] &new{2009-08-10 (月) 14:44:04};

#comment_kcaptcha


トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
SmartDoc