Arduino勉強会

2015/04/29からのアクセス回数 6467

1個で気温、湿度、気圧が測れる便利なモジュールBME280

スイッチサイエンスが販売しているBME280搭載 温湿度・気圧センサモジュールは、 1個のチップで気温、湿度、気圧が測れる便利なセンサーをブレッドボードでも使えるモジュールです。 Arduinoでの使い方も以下のページの「使い方」に紹介されています。

今回は、mbedの普及に努めている渡會さんが、BME280モジュールをmbedで使えるライブラリーを公開されたので、 これをlbeDuinoに移植してみました。

Run_BME280Shield.png

BME280シールドの作成

BME280とlbeDuinoとの接続は、渡會さんの資料を参考に以下の様に結線しました。

lbeDuinoBME280
GND1, 5(SDO, GND)
3.3V4, 6, 7(GSB, Vcore, Vio)
D8(SDA)3(SDI) I2CではSDA
D9(SCL)2(SCK) I2CではSCL

今回も テクノペン を使って秋月の両面基板上に回路を描いています。

MBE280_Shield_brd.png

出来上がったMBE280シールドは、以下の様になります。

BME280Shield.png

ライブラリーの移植

lbedは、mbedのインタフェースに合わせているので、ライブラリーの移植はインクルードファイルを mbed.hからlbed.hに変え、setup関数を追加するだけで良いのですが、そのままコンパイルするとサイズオーバーで、 LPC1114FNベースのlbeDuinoには載りませんでした。

そこで、i2cのポインタを止めて、デストラクターを削除して、コンストラクターもsda, sclを使用するものに修正しました。

    // メソッドの修正部分
    BME280(PinName sda, PinName sck, char slave_adr = DEFAULT_SLAVE_ADDRESS);
    void setup();

    // メンバ変数の修正部分(ポインタ部分を削除)
    I2C         i2c;

スケッチ

I2cLCDシールドを上に載せたテスト用のスケッチ(プログラム)は、渡會さんのmain関数を参考に以下の様にしました。

#include "lbed.h"
#include "AQCM0802.h"
#include "BME280.h"

// D13番ピンにLEDを接続
DigitalOut     led(D13);
// D8番ピンSDA, D9番ピンSCL
AQCM0802     lcd(D8, D9);
BME280          sensor(D8, D9);

// タクトスイッチ
DigitalIn     sw1(D2);
DigitalIn     sw2(D3);

int          last_mode = 0;
char     degree = 0xdf;
void setup() {
     sw1.mode(PullUp);
     sw2.mode(PullUp);
     lcd.setup();
     sensor.setup();
     lcd.locate(0, 0); lcd.print("BME280");
     lcd.locate(0, 1); lcd.print("Demo");
     wait_ms(2000);
}

void loop() {
     led = ! led;
    if (sw1 == 1) {
        if (last_mode == 0)
            lcd.cls();
        lcd.locate(0, 0);
        lcd.print(sensor.getTemperature(), 2);
        lcd.print(degree); lcd.print("C");
        lcd.locate(0, 1);
        lcd.print(sensor.getHumidity(), 2); lcd.print("%");
        last_mode = 1;
    }
    else {
        if (last_mode == 1)
            lcd.cls();
        lcd.locate(0, 0);
        lcd.print(sensor.getTemperature(), 2);
        lcd.print(degree); lcd.print("C");
        lcd.locate(0, 1);
        lcd.print(sensor.getPressure(), 2); lcd.print("hPa");
        last_mode = 0;
    }
    wait_ms(1000);
}

Arduino3.3V版への移植

lbeDuinoは、Arduino3.3V版でも同じように動くことを売りにしているので、 出来上がったBME280のライブラリをArduino版に入れて実行したところ、 湿度を除いて、気温、気圧の値がまったく違ってでてきました。

mbedからArduino3.3Vへのライブラリの移植の注意点

mbedは、ARMの32bitマイコンを使っているのに対し、Arduinoは、AVRの8bitのAtmega328Pを使っています。

ここで、注意が必要なのがintの評価をするときに、16bitでするか32bitで行うかという点です。 BME280では、気温と気圧は3バイトで返されるため、32bitのlongタイプが必要になります。

スイッチサイエンスで公開されているArduino版の温度センサーの処理は、以下の様になっています。 データの取り込み部分readData()では、Wire.read()で取り込んだ1バイトのデータをuint32_tのdataの配列に セットしています。これで、temp_rawに32bitのデータが正しくセットされます。

void readData()
{
    int i = 0;
    uint32_t data[8];
    Wire.beginTransmission(BME280_ADDRESS);
    Wire.write(0xF7);
    Wire.endTransmission();
    Wire.requestFrom(BME280_ADDRESS,8);
    while(Wire.available()){
        data[i] = Wire.read();
        i++;
    }
    pres_raw = (data[0] << 12) | (data[1] << 4) | (data[2] >> 4);
    temp_raw = (data[3] << 12) | (data[4] << 4) | (data[5] >> 4);
    hum_raw  = (data[6] << 8) | data[7];
}

次に温度に変換するcalibration_Tを見てみると、dig_T1, dig_T2, dig_T3に対して(signed long int)等のキャストが 執拗に施されています。ここが8bitマイコンで32bitデータを扱うときに注意が必要な部分なのです。

signed long int calibration_T(signed long int adc_T)
{
    
    signed long int var1, var2, T;
    var1 = ((((adc_T >> 3) - ((signed long int)dig_T1<<1))) * ((signed long int)dig_T2)) >> 11;
    var2 = (((((adc_T >> 4) - ((signed long int)dig_T1)) * ((adc_T>>4) - ((signed long int)dig_T1))) >> 12) * ((signed long int)dig_T3)) >> 14;
    
    t_fine = var1 + var2;
    T = (t_fine * 5 + 128) >> 8;
    return T; 

渡會さんのgetTemperatureでは、32bitマイコンなので、char cmdの配列をそのまま12bitシフトしても 問題なく、temp_rawにセットされ、dig_T1, dig_T2, dig_T3へのキャストも不要です。

float BME280::getTemperature()
{
    uint32_t temp_raw;
    float tempf;
    char cmd[4];
 
    cmd[0] = 0xfa; // temp_msb
    i2c.write(address, cmd, 1);
    i2c.read(address, &cmd[1], 1);
 
    cmd[0] = 0xfb; // temp_lsb
    i2c.write(address, cmd, 1);
    i2c.read(address, &cmd[2], 1);
 
    cmd[0] = 0xfc; // temp_xlsb
    i2c.write(address, cmd, 1);
    i2c.read(address, &cmd[3], 1);
 
    temp_raw = (cmd[1] << 12) | (cmd[2] << 4) | (cmd[3] >> 4);
 
    int32_t temp;
 
    temp =
        (((((temp_raw >> 3) - (dig_T1 << 1))) * dig_T2) >> 11) +
        ((((((temp_raw >> 4) - dig_T1) * ((temp_raw >> 4) - dig_T1)) >> 12) * dig_T3) >> 14);
 
    t_fine = temp;
    temp = (temp * 5 + 128) >> 8;
    tempf = (float)temp;
 
    return (tempf/100.0f);
}

そこで、lbeDuinoのArduino3.3V版では、以下の様に修正しました。読み込んだcmdをuint32_tのdataにコピーし、 キャストもArduino版と同じように入れています。

    // Arduino版は、intが16bitなので、キャストがうまく処理できないので、領域を割り当て計算する。
    uint32_t data[4];
    for (int i = 0; i < 4; i++) data[i] = (uint8_t)cmd[i];
    temp_raw = (data[1] << 12) | (data[2] << 4) | (data[3] >> 4);

    int32_t var1, var2, temp;

    // Arduino版では、キャストを追加
    var1 = ((((temp_raw >> 3) - ((int32_t)dig_T1 << 1))) * ((int32_t)dig_T2)) >> 11;
    var2 = (((((temp_raw >> 4) - ((int32_t)dig_T1)) * ((temp_raw >> 4) - ((int32_t)dig_T1))) >> 12) * ((int32_t)dig_T3)) >> 14;

Arduino3.3V版でBME280シールドを動かしてみる

BME280ライブラリが修正でき、最初のスケッチがArduino3.3V版でも無事動作するようになりました。 *1

Arduino_BME280.png

コメント

選択肢 投票
おもしろかった 9  
そうでもない 0  
わかりずらい 3  

皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。勉強会で分からなかったこと等、お気軽に問い合わせて下さい。

スパム防止に画像の文字列も入力してください。


(Input image string)


*1 ちょっと分かりづらいですが、一番下にArduino3.3V版と変換シールドを載せ、BME280シールド、I2cLCDシールドを載せています

添付ファイル: fileArduino_BME280.png 641件 [詳細] fileRun_BME280Shield.png 2167件 [詳細] fileBME280Shield.png 547件 [詳細] fileMBE280_Shield_brd.png 503件 [詳細]

トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2017-07-22 (土) 13:56:54 (89d)
SmartDoc