2021/05/01からのアクセス回数 4159 Arduino UNOのスケッチのソース・デバッグ †Arduino UNOを使い始めて10年あまりが立ちますが、ずっと不思議に思ってことにArduinoのスケッチをソースレベルでデバッグする方法を紹介した記事がないことです。 Arduinoに使われているATmega328P単体ならATMEL Studio(現 Microchip Studio)を使ってC言語のソースデバッグの記事は見かけられますが、 Arduinoとなるとほとんどヒットしません。 また、AVR Studioでソースレベルのデバッグをするには、AVR Dragon(7,350円)やAtmel-ICE(11,000円)と高価なツールが必要でした。 安価なデバッグツールMPLAB Snapの登場 †トランジスタ技術2021年4月号では、基板レベルではありますが安価なMPLAB Snap(2,850円)を使ったデバッグ方法が紹介されました。 MPLAB Snapの改造 †Microchip StudioでMPLAB Snapを使用するには、少しの準備(改造)が必要です。
技術2021年4月号の写真2(43p)は、少し古いモデルみたいで、私が秋月から購入したものはR48の位置が少し異なっていました。 隙間が狭くピンセットが入らなかったので、チップ抵抗にコテを当てた後ドライバーでずらして、取り外しました。 MPLAB SnapのFirmwareの更新には、Windows版のMPLABX IDEが必要です(Mac版では更新できませんでした)。 MPLABX IDEは以下のサイトからMPLABX-v5.45-windows-installer.exeをダウンロードしました。 MPBLAX IDEでATmega328Pのプロジェクトを作成し、MPLAB Snapを接続すると更新できました(すみません画像を取りそこねました)。 更新前のバージョンは ``` Connecting to MPLAB Snap... Currently loaded versions: Application version............00.00.17 Boot version...................01.00.00 Script version.................00.04.07 Script build number............59586f4647 Tool pack version .............1.3.305 ``` アップグレード後のバージョンは以下のように出力されました。 ``` Connecting to MPLAB Snap... Currently loaded versions: Application version............00.04.18 Boot version...................01.00.00 Script version.................00.04.07 Script build number............59586f4647 Tool pack version .............1.3.305 ``` Arduino UNOでデバッグツールが動かない理由 †Arduino UNOでデバッグツールが動かない理由が以下のサイトに説明されています。 Arduino UNOの公式サイトから回路図の一部を引用します。 Arduino IDEでスケッチをArduinoにアップロードした後に、Arduinoをリセットする必要があります。 このリセット信号は瞬間的にLOWになるパルスが必要ですが、シリアルの通信でそのような制御はできません。 そこで、CTSをLOWにしたあとC4とRN10のCR回路でリセット信号を作っています。 Arduino IDEにとっては便利なCR回路ですが、これがデバッグツールの制御に悪影響を与え、デバッグできなかったのです。 シリアルのリセット信号のカット †Arduino UNOの互換器では、CR回路がボードに直付けになっており、切り離すことができません。 しかし、秋月電子から発売されている
## ArduinoスケッチをMicrochip Studioでデバッグ 残念ながら、Microchip Studioは、Windows版のみが提供されており、MacのVirtualBoxでは動作しませんでした(Paralles, VMwareでは動作が確認されているみたいです)。 Microchip Studioのインストール †Microchip Studio for AVR and SAM Devices 7.0.2542のオフラインインストーラを以下のURLからダウンロードします。
Arduino UNOとMBLAB Snapとの接続 †Arduino UNOとMBLAB Snapとの結線は、トランジスタ技術2021年4月号の図8から引用します。 結線を整理すると以下のようになります。
自由に切り離せるメス・押すのピンケーブルを使って以下のようにテープでまとめました。 Arduinoスケッチのインポート †Microchip StudioにArduinoスケッチをインポートする手順は、以下の動画に紹介されています。 手順としては、以下の通りです。
Arduinoプロジェクトの作成画面では、「Create project from Arduino sketch」を選択し、プロジェクト名称、作成ディレクトリを入力して、OKボタンを押下します。 インポートするArduinoのスケッチを指定し、ボードのタイプ、CPUデバイスをセットしてOKボタンを押下します。 必要なライブラリも合わせてインポートされ、Microchip Stduioのプロジェクト画面が表示されます。 デバッグの手順 †Arduinoスケッチをデバッグするときに注意が必要なことにヒューズ・ビットの切り替えです。 ATmega328Pのデバッグには、ISPインタフェースからdebugWIREインタフェースに切り替えるために、 ヒューズ・ビットを書き換える必要があります。 Arduino(ATMEGA168/328用ボード)のジャンパを外して電源をオンにし、MPLAB Snapを接続してください。 以下の手順でデバッグを開始します。
この後は、Step Over(ステップ実行)、Step Into(関数内に入る)、Step Out (関数を抜ける)、Continue(続ける)等の デバッグコマンドが使用でき、Autos画面では変数の値が確認できます。 ブレークポイントをセットしておけば、Continueボタンを押下した時にブレークポイントで停止します。 Launch Failedが出たとき †Launch Failedが出たときには、ターゲットボードの電源またはケーブルの配線をチェックしてください。 デバッグ完了時 †デバッグを完了したら、必ずISPモードに戻してください。 debugWIREモードからISPモードに戻すには、デバッグの最後に
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