FrontPage

2016/05/03からのアクセス回数 440

ここで紹介したSageワークシートは、以下のURLからダウンロードできます。

http://www15191ue.sakura.ne.jp:8000/home/pub/71/

また、私の公開しているSageのサーバ(http://www15191ue.sakura.ne.jp:8000/)にユーザIDを作成することで、ダウンロードしたワークシートを アップロードし、実行したり、変更していろいろ動きを試すことができます。

参考サイト

ここでは、 人工知能に関する断創録 のTheanoに関連する記事をSageのノートブックで実装し、Thenoの修得を試みます。

今回は、TheanoのTutorialからMNISTの手書き数字認識を以下のページを参考にSageのノートブックで試してみます。

2値分類

2値分類とは、入力xの値によって2種類に区別する問題です。2値の変数\(y \in {0, 1}\)で表現した場合、 入力xからyの値を推定します。

入力xを指定したとき、y=1となる事後確率\(p(y=1|x)\)をニューラルネットを使ってモデル化します。活性化関数gにはロジスティック関数を使用します。 $$ h(x) = p(y=1|x) \approx g(x; w) $$ $$ g(z) = \frac{1}{1 + e^{-z}} $$

べき乗の性質を使ったトリックを使うと事後分布\(p(y|x; w)\)をy=1とy=0の分布を使って $$ p(y|x) = p(y=1|x)^y p(y=0|x)^{1-y} $$ と表すことができます。ここで\(p(y=0|x) = 1 - h(x)\)であることを使うとwの尤度は、 $$ L(w) = \prod_{n=1}^N p(y_n | x_n; w) = \prod_{n=1}^N \{ h(x_n)\}^{y_n} \{1 - h(x_n) \}^{1-y_n} $$ で与えられ、負の対数尤度は、以下のようになります。 $$ E(w) = - \sum_{n=1}^N [y_n log h(x_n) + (1-y_n) log\{1 - h(x_n)\}] $$

必要なライブラリをインポート

最初に使用するライブラリをインポートします。

sageへの入力:

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import theano
import theano.tensor as T

訓練データのロード

訓練データex2data1.txtをDATAディレクトリから読み込みます。

sageへの入力:

# 訓練データをロード
data = np.genfromtxt(DATA+"ex2data1.txt", delimiter=",")
data_x = data[:, (0, 1)]
data_y = data[:, 2]

# 訓練データ数
m = len(data_y)

データの分布

y=1を赤、y=0を青の●(point)でプロットし、データの分布をみます。

SageのGraphicsとpointを使うと簡単にデータの分布が可視化することができます。

sageへの入力:

# データのプロット
data_plt = Graphics()
for i in range(m):
    if data_y[i] == 1:
        data_plt += point(data_x[i], rgbcolor='red')
    else:
        data_plt += point(data_x[i], rgbcolor='blue')
show(data_plt, figsize=5)

sage0.png

コスト関数の自動微分

バイアス項もwに追加するために、入力データxの1列目に1の列を追加します。

従って重みwは、\( w = [w_0, w_1, w_2]\)となります。

Theanoでコスト関数で定義します。

  • X: 訓練データを表す共有変数
  • y: 訓練データの正解ラベルを表す共有変数
  • w: 重み(パラメータ)を表す共有変数 人工知能に関する断創録のコメントは鋭く、T.dot(X, w)のXとwの順序が式と逆ではないかと指摘しており、 これはXの行がサンプル、列が特徴をデータをまとめた行列なので、この順番になるのだそうです。

g_wは、コスト関数をパラメータwで微分した数式を表している。 このようにとても簡単に微分を定義することができるのがTheanoの特徴です。

sageへの入力:

# 訓練データの1列目に1を追加
data_x = np.hstack((np.ones((m, 1)), data_x))

# 訓練データを共有変数にする
X = theano.shared(np.asarray(data_x, dtype=theano.config.floatX), borrow=True)
y = theano.shared(np.asarray(data_y, dtype=theano.config.floatX), borrow=True)

sageへの入力:

# パラメータを共有変数にし、0で初期化
# 訓練データに1を加えたのでバイアスもwに含めてしまう
w = theano.shared(np.zeros(3, dtype=theano.config.floatX), name='w', borrow=True)

# コスト関数として負の対数尤度を定義
h = T.nnet.sigmoid(T.dot(X, w))
# 通常のコスト関数とは異なり1/mがファクターとして掛けてある。これがないと計算がnanとなり求まらない
cost = - (1.0 / m) *T.sum(y * T.log(h) + (1 - y) * T.log(1 - h))

# コスト関数の微分
g_w = T.grad(cost=cost, wrt=w)

Theanoによる勾配降下法の実装

学習率learning_rateと更新updatesにwの更新を定義し、theanoのfunctionとしてtran_modelを定義して、 これを繰り返し実行するだけで勾配降下法が実現できてしまうところが本当にすごいです。

     # 訓練用の関数を定義
     train_model = theano.function(inputs=[], outputs=cost, updates=updates)

functionで指定したupdatesは、関数の実行後に指定された更新が自動的に行われる仕組みになっており、 updatesには(共有変数, 更新式のシンボル)のペアが並ぶリストを指定します。

train_modelの戻り値には、cost関数の戻り値が返されます、これを収束の判定に使うことができます。

今回は収束判定はしないで、30万回パラメータの更新を繰り返します。

sageへの入力:

# 勾配降下法
# パラメータ更新式
learning_rate = 0.001
updates = [(w, w - learning_rate * g_w)]

# 訓練用の関数を定義
train_model = theano.function(inputs=[], outputs=cost, updates=updates)

sageへの入力:

# 高度な収束判定はせずにiterations回だけ繰り返す
iterations = 300000
for iter in range(iterations):
    current_cost = train_model()
    if iter%20000 == 0:
        print iter, current_cost
0 0.69314718056
20000 0.547295463694
40000 0.488295709188
60000 0.445118809496
80000 0.41259440171
100000 0.387389522711
120000 0.367353248365
140000 0.351070505109
160000 0.337586093857
180000 0.326237734121
200000 0.316554335209
220000 0.308192817261
240000 0.300897944917
260000 0.294476164256
280000 0.288778154733

結果をプロット

求められた重みwからy=0とy=1の境界を求めます。 $$ w_0 + w_1 x_1 + w_2 x_2 = 0 $$ から $$ x2 = -w_0/w_2 - w_1/w_2 x_1 $$ となります。これをSageのPlot関数を使って表示してみましょう。

sageへの入力:

# 更新されたパラメータを表示
t = w.get_value()
print "w:", t
w: [-9.25573205  0.07960975  0.07329322]

sageへの入力:

# 決定境界を描画
xmin, xmax = min(data_x[:,1]), max(data_x[:,1])
x1 = var('x1')
x2 = -t[0]/t[2] - t[1]/t[2]*x1
line_plt = plot(x2, [x1, xmin, xmax])
(data_plt + line_plt).show(figsize=5)

sage1.png

Theanoによる確率的勾配降下法の実装

上記の勾配降下法は、誤差関数に各サンプルの誤差\(E_n(w)\)の和を求めています。この方法をバッチ学習(batch leaning)と呼びます。 $$ E(w) = \sum_{n=1}^N E_n(w) $$

これに対してサンプルからランダムに1個を抽出し、パラメータの更新を行う方式を確率的勾配降下法(stochastic gradient descent) と呼び、SGDと略します。SGDでのwの更新は以下のように行われます。 $$ w^{(t+1)} = w^{(t)} - \epsilon \Delta E_n $$

TheanoでSGDを実装するには、更新式を少し書き替えるだけで実現できます。

     # 訓練データのインデックスを表すシンボルを定義
     index = T.lscalar()              
     # コスト関数の微分をindex番目のデータのみ使うように修正
     h = T.nnet.sigmoid(T.dot(w, X[index,:]))
     cost = -y[index] * T.log(h) - (1 - y[index]) * T.log(1 - h)
     # 訓練用の関数の定義で、inputにindexを指定し、index番目の訓練データのみを使ってパラメータ更新する
     train_model = theano.function(inputs=[index], outputs=cost, updates=updates)

人工知能に関する断創録では、5000で計算していましたが、解がばらばなので、10000に増やして計算してみました。

sageへの入力:

# 確率的勾配降下法
# 訓練データを再度設定
data_x = data[:, (0, 1)]
data_y = data[:, 2]

# 訓練データの1列目に1を追加
data_x = np.hstack((np.ones((m, 1)), data_x))

# データをシャッフル
p = np.random.permutation(m)
data_x = data_x[p, :]
data_y = data_y[p]

sageへの入力:

# 訓練データを共有変数にする
X = theano.shared(np.asarray(data_x, dtype=theano.config.floatX), borrow=True)
y = theano.shared(np.asarray(data_y, dtype=theano.config.floatX), borrow=True)

# パラメータを共有変数にし、0で初期化
# 訓練データに1を加えたのでバイアスもwに含めてしまう
w = theano.shared(np.zeros(3, dtype=theano.config.floatX), name='w', borrow=True)

# 訓練データのインデックスを表すシンボルを定義
index = T.lscalar()

sageへの入力:

# コスト関数の微分を構築
# 確率的勾配降下法なので全データの和ではなく、index番目のデータのみ使う
h = T.nnet.sigmoid(T.dot(w, X[index,:]))
cost = -y[index] * T.log(h) - (1 - y[index]) * T.log(1 - h)

# コスト関数の微分
g_w = T.grad(cost=cost, wrt=w)

# 更新式
learning_rate = 0.0005
updates = [(w, w - learning_rate * g_w)]

# 訓練用の関数を定義
# index番目の訓練データを使ってパラメータ更新
train_model = theano.function(inputs=[index], outputs=cost, updates=updates)

sageへの入力:

# 確率的勾配降下法
# 5000だと解がばらばらなので、10000に増やしてみた
max_epoch = 10000
for epoch in range(max_epoch):
    for i in range(m):
        current_cost = train_model(i)
    if epoch%500 == 0:
        print epoch, current_cost

# 更新されたパラメータを表示
t = w.get_value()
print "w:", t
0 0.256765757093
500 0.199191597088
1000 0.159751041384
1500 0.136903825723
2000 0.121894838402
2500 0.110467015435
3000 0.100861036861
3500 0.0923233412348
4000 0.0845513113405
4500 0.0774410166041
5000 0.0709542020968
5500 0.0650615672185
6000 0.059727054437
6500 0.0549077671741
7000 0.0505575651269
7500 0.0466303292568
8000 0.0430820865081
8500 0.0398721475311
9000 0.036963576944
9500 0.034323261154
w: [-13.15095347   0.10151697   0.10169091]

決定境界の表示

解は勾配降下法の線の当たりをばらつきます。

sageへの入力:

# 決定境界を描画
xmin, xmax = min(data_x[:,1]), max(data_x[:,1])
x1 = var('x1')
x2 = -t[0]/t[2] - t[1]/t[2]*x1
line_plt = plot(x2, [x1, xmin, xmax])
(data_plt + line_plt).show(figsize=5)

sage2.png

コメント

選択肢 投票
おもしろかった 0  
そうでもない 0  
わかりずらい 0  

皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。


(Input image string)


添付ファイル: filesage2.png 160件 [詳細] filesage1.png 164件 [詳細] filesage0.png 163件 [詳細]

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2016-05-03 (火) 17:24:45 (472d)
SmartDoc