2014/07/21からのアクセス回数 4380 U-BootやuCLinuxの移植記事が雑誌にでているのですが、ボードが高くて簡単にはできません。 そこで、買って袋に入ったままの SAM-LA2 を使ってみようと思います。 SAM7-Pxxxの復習 †一番最初に使ったARMのマイコンボードが、SAM7-Pxxxです。何とかMacOSXで動かしてみようと 試行錯誤してまとめたのが、arm/LED点灯の作成とデバッグです。 その後、MacOSXでもOpenOCDが使えるVersaloonの関連記事をトラ技に投稿しました。 OpenOCDの進歩でarm/LED点灯の作成とデバッグの記事のコンフィグファイルがそのまま使えない ことが分かり、SAM-PxxxをOpenOCDでデバッグするところから復習することにします。 Versaloon対応のOpenOCDの作り方は、内容はちょっと古いですが arm/Versaloon対応OpenOCDの作成 を参考にしてください。 Versaloonコンフィグの修正 †Versaloonは、SWDの他JTAGもサポートしているのでSAM7-Pxxxもデバッグできるはずなのですが、 最初は上手く動きませんでした。 調べて見るとvsllink.cfgにJTAGトランスポートの選択(transportコマンド)がありませんでしたので、 openocdの共有ディレクトリ/script/interface/vsllink.cfgを以下の様に変更します。 # # Versaloon Link -- VSLLink # # http://www.simonqian.com/en/Versaloon # interface vsllink transport select jtag AT91SAM7-Pxxx(at91sam7s64.cfg)のコンフィグファイル †AT91SAM7-Pxxxのコンフィグファイルは、 at91sam7s64.cfg を参考にしました。 AT91SAM7Sでは、ボードスキャンとJTAG-ICEの2つのJTAGを持っているため、以下の警告が 出力されます。 Info : JTAG tap: at91sam7s64.cpu tap/device found: 0x3f0f0f0f (mfg: 0x787, part: 0xf0f0, ver: 0x3) Warn : JTAG tap: at91sam7s64.cpu UNEXPECTED: 0x3f0f0f0f (mfg: 0x787, part: 0xf0f0, ver: 0x3) Error: Trying to use configured scan chain anyway... これは、SAM7シリーズの特徴で、JTAG用にBSDとICEの2つをサポートしているからです。
そこで、at91sam7s64.cfg内で、以下の様にCPUTAPIDを追加し、jtagコマンドにCPUTAPIDを 知らせます。 if { [info exists CPUTAPID ] } { set _CPUTAPID $CPUTAPID } else { set _CPUTAPID 0x3f0f0f0f } jtag newtap $_CHIPNAME cpu -irlen 4 -expected-id $_CPUTAPID 以下のファイルをopenocdの共有ディレクトリ/script/targetにコピーしてください。 openocd.cfgの変更 †OpenOCDのコンフィグファイルも書き方が変わり、フラッシュの書き込みで以下のようなエラーが困りました。 flash probe 0 flash : command requires more arguments Sparkfunのフォーラムの hsutherl氏のコメント で解決できました。*1 最終的なopenocd.cfgは、以下の様になりました。 # OpenOCD at91sam7s64.cfg with Flash proc telnet_port 4444 gdb_port 3333 source [find interface/vsllink.cfg] source [find target/at91sam7s64.cfg] # 以下のURLのhsutherl氏のコメントを参考 # https://forum.sparkfun.com/viewtopic.php?f=18&t=33789 set _FLASHNAME $_CHIPNAME.flash flash bank $_FLASHNAME at91sam7 0x00100000 0 0 0 0 $_TARGETNAME proc flash_program {ELF_FILENAME} { halt flash probe 0 flash write_bank 0 $ELF_FILENAME 0x0 echo "flash program complete. reset and run" resume exit } init halt OpenOCDを使ったデバッグ †RAMベースのプログラムのデバッグは、 arm/LED点灯の作成とデバッグ に従ってデバッグを設定します。 デバッグのコンフィグタブのInitialize commands以下の様に変更し、Run Commandsは空のままにしてください。 target remote localhost:3333 set remote hardware-breakpoint-limit 2 monitor reset halt load monitor reset init thbreak main MacOSXでは、VersaloonのCDCがOSのドライバーに取られしまうため、一時的にそれをいったん止めます。 $ sudo kextunload /System/Library/Extensions/IOUSBFamily.kext/Contents/PlugIns/AppleUSBCDC.kext 元に戻すには、 $ sudo kextload /System/Library/Extensions/IOUSBFamily.kext/Contents/PlugIns/AppleUSBCDC.kext 動作確認 †準備ができたので、ターミナルでopenocdを起動します。 $ /usr/local/bin/openocd -f openocd.cfg $ /usr/local/bin/openocd -f openocd.cfg Open On-Chip Debugger 0.5.0-dev-00783-g0123985-dirty (2014-07-17-17:17) Licensed under GNU GPL v2 For bug reports, read http://openocd.berlios.de/doc/doxygen/bugs.html Warn : must select a transport. Warn : use 'at91sam7s64.cpu' as target identifier, not '0' Error: Fail to receive usb data, error string is Operation timed out. Info : Versaloon(0x15)by Simon(compiled on Jan 29 2011) Info : USB_TO_XXX abilities: 0x0000024F:0x010001EF:0xC0000007 Info : RCLK (adaptive clock speed) Info : JTAG tap: at91sam7s64.cpu tap/device found: 0x3f0f0f0f (mfg: 0x787, part: 0xf0f0, ver: 0x3) Info : Embedded ICE version 1 Info : at91sam7s64.cpu: hardware has 2 breakpoint/watchpoint units target state: halted target halted in ARM state due to debug-request, current mode: System cpsr: 0x200000df pc: 0x00000184 ROMベースのプログラムのデバッグ †フラッシュROMへの書込は、以下の手順で行います。 $ /usr/local/bin/openocd -f openocd.cfg -c "flash_program main.bin" ROMでのブレークポイントの使い方 †ROMベースのプログラムでは、ハードブレークポイントが2個しか使えず、 Eclipseからのブレークポイントは使えません。 そこでプログラムが停止している時に、Eclipseのgdbコンソールでthbreakコマンド を入力してEnterを押すことで一時ブレークポイントがセットできます。 ((この時、breakpointのタブに2個以上のブレークポイントがセットされてないように してください。)) thbreak 関数名 または thbreak ソースファイル名:行数 プログラムを途中で停止して、ブレークポイントをセットする場合には、 以下の様に停止してからブレークポイントをセットしてください。 $ telnet localhost 4444 Trying ::1... telnet: connect to address ::1: Connection refused Trying 127.0.0.1... Connected to localhost. Escape character is '^]'. Open On-Chip Debugger > halt コメント †皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。勉強会で分からなかったこと等、お気軽に問い合わせて下さい。 スパム防止に画像の文字列も入力してください。 Tweet |