2011/10/02からのアクセス回数 10046 SWD対応オープンソースのJTAG Versaloon †Versaloonは、ARM Coretex-M3シリーズで最近よく使われているデバッガとのインターフェース SWDをサポートするオープンソースのJTAGです。 STM32マイコン評価ボードSTM32VLDISCOVERY やARMマイコンパーフェクト学習基板で採用されているLPC1343の評価ボードhttp://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-03598/ が開発環境とボードに組み込まれたSWDデバッガでとても簡単に開発できるのですが、すべてWindows上の開発環境です。 *1 arm/CodeBaseを使ったARMマイコンパーフェクト学習基板の使い方でMac OSX上でコンパイルと、 プログラムのセットができても、オープンソースのデバッガOpenOCDがSWDに対応していない *2 ので、とても悔しい思いをしていました。 Versaloonとの出会い †はじめてVersaloonの存在を知ったのは、 ねむいさんのぶろぐ を見たときでした。世の中にはすごい人がいるものだと感動しました。 さっそく、STM8S-Discoveryはじめ必要な部品を揃えSTM8S-DiscoveryのVersaloon化に挑戦しましが、 ハンダ技術にとぼしい私には、MCUのピンにハンダ付けをすることは不可能でした。 そこで、 Versaloonのサイト から完成品のVersaloon Miniを購入し、OpenOCDを作ろうとしましたが、 開発途中のためパッチとソースのバージョンが合わず上手くいきませんでした。 Windowsの方は、ねむいさんが OpenOCDの作成手順 を紹介されていますので、そちら参照するとよいでしょう。 この他に LPC1343 QuickStart Board を販売しているサイトから 10-pin to 20-pin JTAG Adpater Kit を合わせて購入すると便利です。 再度挑戦しようと思ったわけ †それでももう一度Versaloon対応のOpenOCDを作ってみようと思ったのは、 Bingo氏のサイト で紹介されている STM32 DiscoveryのVersaloon化の手順書 を見たときです。 これならトラ技のオフ会でもらったSTM32L-Dsicoveryを使ってハードの改造なしに、簡単にSTM8S-Discovery をVersaloon化することができると気づきました。 *3 その前に、Versaloon用のOpenOCDを作成する必要があります。以下ではMac OSX上でVersaloon対応のOpenOCDを作成する手順を紹介します。 Mac OSXで動作するSWD対応OpenOCD †Bingo氏は、VersaloonのForumでだれでも再現できるようにな スクリプトと必要なパッチ をまとめてくれました。 Bingo氏は、Versaloonの著者Simon氏の配布ファイルにあるopenocd_updateを修正し、
しています。 MacOSXでのmake †上記配布ファイルを使ってMac OSXでmakeをする場合、準備と若干の修正が必要です。
openocd_updateの実行 †準備ができれば、後は簡単です。
Versaloonのファームウェアの更新 †私が購入したVersaloon Miniのファームウェアが古く、これをopenocd-force-10-mar-2011.tar.gzに付属する
と入れ替えなくてはならないことが分かりました。 ファームウェアの更新 †ファームウェアの更新には、STMの提供するFlash Loader Demonstratorが必要ですが、これを見つけるのに一苦労しました。
Versaloonにファームウェアを書き込むには、ボタンを押しながらUSBに接続すると赤のLEDが点灯します。 これで、シリアル通信ができるようになります。 Flash Loader Demonstratorを起動し、 指示に従いながら進んでVeraloon_IAR.hexを指定して書き込みます。 OpenOCDのコンフィグファイル †OpenOCDを使う場合、JTAGインターフェースの定義ファイル、ターゲットのMPUの定義ファイルが必要となります。 OpenOCDでは、インストール時によく使われているものについてこれらの定義を
にセットされていますが、versaloonやSWD対応MPUであるLPC1114, LPCLPC1343, LPC1768の定義ファイルは 提供されていません。 いろいろ探してみると流石 ねむいさんのぶろぐ おきば にありました。
を使用しました。 ねむいさん、ありがとうございます。 私の使ったコンフィグと最新は、少し違うみたいです。 定義ファイルのコピー †ダウンロードした定義ファイルを解凍し、以下のようにコピーします。 $ cd OpendOcd_cfgs $ sudo cp tcl/interface/* /usr/local/share/openocd/scripts/interface/ $ sudo cp tcl/target/* /usr/local/share/openocd/scripts/target/ OpenOCDを使って書き込みのテスト †MacOSX固有の前処理 †Mac OSXでは、VersaloonのCDCがOSのドライバーに取られしまうため、一時的にそれをいったん止めます。 $ sudo kextunload /System/Library/Extensions/IOUSBFamily.kext/Contents/PlugIns/AppleUSBCDC.kext もとに戻すには、 sudo kextload /System/Library/Extensions/IOUSBFamily.kext/Contents/PlugIns/AppleUSBCDC.kext プロジェクトの準備 †書き込みのテストには、ねむいさんの作られたkick startのプロジェクトを使いました。
ファイルを展開したら、 $ cd LPC1343_with_KickStarts_20100901 $ /usr/local/bin/openocd -f interface/vsllink_swd.cfg -f target/lpc1343_swd_flash.cfg -c "mt_flash main.elf" Open On-Chip Debugger 0.5.0-dev-00783-g0123985-dirty (2011-10-02-18:39) Licensed under GNU GPL v2 For bug reports, read http://openocd.berlios.de/doc/doxygen/bugs.html Warn : must select a transport. Info : OpenOCD runs in SWD mode adapter_nsrst_delay: 200 jtag_ntrst_delay: 200 trst_and_srst separate srst_gates_jtag trst_push_pull srst_open_drain Info : OpenOCD runs in SWD mode Error: Fail to receive usb data, error string is Operation timed out. Info : Versaloon(0x15)by Simon(compiled on Jan 29 2011) Info : USB_TO_XXX abilities: 0x0000024F:0x010001EF:0xC0000007 Info : RCLK (adaptive clock speed) Info : lpc1343.cpu: hardware has 6 breakpoints, 4 watchpoints target state: halted target halted due to debug-request, current mode: Thread xPSR: 0x21000000 pc: 0x000004b4 msp: 0x10001fc8 flash 'lpc2000' found at 0x00000000 auto erase enabled wrote 4096 bytes from file main.elf in 0.409816s (9.760 KiB/s) verified 2968 bytes in 0.119172s (24.321 KiB/s) requesting target halt and executing a soft reset target state: halted target halted due to breakpoint, current mode: Thread xPSR: 0x01000000 pc: 0x000000c0 msp: 0x10001fe0 shutdown command invoked と無事、書き込みに成功しました。 ARMマイコンパーフェクト学習基板でためしてみる †次にARMマイコンパーフェクト学習基板で、SWDIO, GND, SWCLKの3本の線で書き込みができるか、 試してみます。 ARMマイコンパーフェクト学習基板のP1ピンコネクタ 2 SWDIO 3 DWCLK 8 GND これをVersaloonの 7 SWDIO 9 SWCLK (4~20の偶数ピン) GND に接続します。 結線は以下のようになります。 コメント †皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。 Tweet |