2009/05/17 からのアクセス回数 37396 ARMの開発環境のセットアップは、難しいというイメージがありましたが、 ここでは、以下の3つの方法を紹介します(マシン環境はMac OS X Leopardです)。
どちらを採用するかは、いろいろですが私はMacPort版を使うことにしました。 必要最低限のツールのソースからのインストール †ツールが思った通りに機能しないとき、原因の切り分けをするために、機能を 必要最低限に絞ってテストすることがあります。 ここでは、ARMのクロス開発に必要なgccとbinutilsのみを作成する方法を説明します。 *1 newlibやC++など組み込みであまり必要でないツールを除くことでmakeが非常に簡潔になります。 作成するツールのバージョンは以下の通りです。
MacPortでは、arm-elf-gdbがないので、ついでにgdbもダウンロードします。
ソースのダウンロード †作成に使用するソースを~/local/arm/toolchainに置くことにします。 $ mkdir -p ~/local/arm/toolchain $ cd ~/local/arm/toolchain $ curl -O ftp://gcc.gnu.org/pub/binutils/releases/binutils-2.18.tar.bz2 $ curl -O ftp://gcc.gnu.org/pub/gcc/releases/gcc-4.0.2/gcc-core-4.0.2.tar.bz2 $ curl -O ftp://sourceware.org/pub/gdb/releases/gdb-6.7.1.tar.bz2 binutilsの作成 †最初にbinutilsを作成します。 configureのオプションには、以下のオプションを指定します。
$ tar xjvf binutils-2.18.tar.bz2 $ mkdir binutils-2.18/build $ cd binutils-2.18/build $ ../configure --target=arm-thumb-elf $ make 約3分程度でコンパイルが終わります。 正常にコンパイルできたら、/usr/local/binにインストールします。 $ sudo make install インストールが完了すると/usr/local/arm-thumb-elfと/usr/local/binにツール セットされます。 gccの作成 †gccは、binutilsとほとんど同じ作業になります。 configureのオプションには、以下のオプションを指定します。
$ tar xjvf gcc-4.0.2.tar.bz2 $ mkdir gcc-4.0.2/build $ cd gcc-4.0.2/build $ ../configure --target=arm-thumb-elf --without-libs $ make コンパイルには、ちょっと時間がかかります。 正常にコンパイルできたら、/usr/local/binにインストールします。 $ sudo make install MacPortを使ったインストール †次に、MacPortを使ってbinutils, gcc, newlibをインストールします。 MacPortの一番のメリットは、最新のバージョンに更新するのが容易なことです。 binutils, gcc, newlibのインストール †MacPortを使ったインストールはきわめて簡単です。(でも時間はそれなりに掛かります) $ sudo port install arm-elf-gcc 残念ながら、MacPortでインストールすると/opt/local/bin/にarm-elf-gccが作成されません。 そこで、手作業でgccのシンボリックリンクを作成します。 $ cd /opt/local/bin $ sudo ln -s arm-elf-gcc-4.3.2 arm-elf-gcc この作業はARM用のgccをバージョンアップするたびに行う必要があるので、気をつけてください。 gdbの作成 †次に、gdbを作成します。 gdbは、MacPortで作成したgccと一緒に使うので、/opt/local/arm-elfにインストールします。 configureのオプションには、以下のオプションを指定します。
$ cd ~/local/arm/toolchain $ tar xjvf gdb-6.7.1.tar.bz2 $ mkdir gdb-6.7.1/build $ cd gdb-6.7.1/build $ ../configure --target=arm-elf --prefix=/opt/local/arm-elf/ $ make 正常にコンパイルできたら、/opt/local/binにインストールします。 $ sudo make install YAGARTOを使ったインストール †初心者にお薦めなのが、YAGARTOツールです。 Windows, Mac OSXに対して、コンパイル済みのパッケージを提供しています。
以上で完了です。 Zylin CDTのインストール †最後に、EclipseでOpenOCDを使ってソースレベルのデバッグをするためのプラグインZylin CDTをインストールします。 Zylin CDTはEclipseのupdate site機能を使ってインストールします。 私は以下の環境でインストールしています。
詳しいインストール方法は、YAGARTOのサイトを参照してください。 YAGARTOの画像を使って、Zylin CDTのインストール方法を説明します。
Eclipse 3.4(ganymede)からUpdate Site機能が強化され、足りない機能を自動的に ダウンロードしてくれるので、とても簡単になりました。 コメント †この記事は、 皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。 Tweet |